姦しいと言われても好きだった物理の先生

高校の物理の先生は、京大出身の猿みたいにくしゃっとした顔のお爺ちゃんで、小柄な先生だった。いつも、アイロンがよくかかった白衣を着て授業をしていた。

ある日、黒板に突然、「姦しい」と書いて、「女が3つ揃うとかしましい」と言われた。授業中うるさかったのかどうかは記憶にないけれども、なんてこというんだと思ったが、不思議と嫌な感じがしなかった。今だと、間違いなく炎上する発言ですね。汗。

授業はものすごく難解で、テストもゼロ点の生徒が続出だった。ある時、奇跡の65点をとった時に、「今回の成績は皆悪い、トップは65点、しかも女だ」と吐かれたが、内心、へへ、どうですか、と思っていたのを覚えている。なんでしょうね、セクハラっていうのかもしれませんが、ほんとに、嫌な気がしなかったんです。進学の相談に行ったら、優しく真剣に考えていただいたし、女子が話しかけると真っ赤になるのを見ていて、シャイで可愛い先生だと思っていた。意外とファンの女子生徒もいて、一緒にバレンタインチョコを渡しに行ったこともあった。もちろん、先生は耳まで真っ赤になっていた。

今考えても不思議。またどこかで会ってみたい先生です。